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似顔絵に怒る男の子 

美術系短大に通っていた学生時代、
文化祭で似顔絵を描いていました。

学生による似顔絵ブースは結構な人気を集め、
描き始めてすぐに待ち人の列ができました。

私の隣で似顔絵を描いていたのは、
プロの似顔絵作家を目指していたK君。
目標は「山藤章二」だそうで、
努力家で実力もあり、
みんなから一目置かれる存在でした。

黙々と筆を動かす描き手と
黙って座っている客という、
文化祭で最も静かだろうブース。
その静寂を破りいきなり怒鳴り声が。

「似てねえよ!!」
「なんだよこれ!!」

顔を上げると、
K君の前に座っていた若い男の子(高校生ぐらい)が、
顔を真っ赤にして怒っていました。

男の子は私に
「ねえ、これ見てよ!
 俺、こんな顔じゃないよね?」
と、描き上がった似顔絵を見せました。

K君の画風は、極端にデフォルメしたややリアルなタッチ。
似顔絵は、男の子の特徴がオーバーに描かれたものでした。

まじまじと見比べることができなかったので、
似ているかどうかの判定はできませんでした。

「うーん…」と口ごもっていると、
「ね!全然似てないでしょう?」と興奮気味に聞いてきます。

「そうですね」と答えながら
K君とアイコンタクトを交わし、
私が彼の似顔絵を描き直すことにしました。

私の画風は簡略化したマンガタッチです。
美化するわけではないですが、
リアルなタッチで描かれたくない人たちには
人気がありました。

怒りと恥ずかしさで赤くなったままの男の子。
特徴となるようなパーツが見あたらない、
日本人の平均的な顔立ちだと思いました。

さて、似顔絵を描く上で重要なのは、
誰の目から見た顔を描くのか、ということです。

どういうことかと言うと、
子供連れで子供がモデルなら、親から見た子供を描き、
カップルなら、彼女目線あるいは彼目線、
ひとりなら本人が思う本人像を描けばよいのです。

自分の似顔絵を描いてもらおうとする人は
ナルシシストな傾向はあると思いますが、
必ずしも美形に描かれたがる人ばかりではないのが
難しいところです。

男の子は、大人びた目をしていてちょっと淋しげなイメージ。
これで間違いないよね?

少し緊張しつつ描き上げると、
男の子は
「そうだよな!俺ってこんな感じだよな!」
と、大満足の様子。


文化祭が終わり、いきさつは忘れましたが、
K君が私の似顔絵を描いてくれることになりました。

似顔絵を描き終えたK君、
色紙をこちらに渡しながらこう言ったのです。

「たまちゃんてさあ、
 何となく山田邦子のイメージなんだよねー」

ふっ…。

アンタ一生、山藤章二はムリだわ。
あたしゃ○○科の中森明菜って言われてんだよッ!

いいかげんにして〜♪

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